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4度の流・死産の末、離婚したバツ2女の日常

S W

出産した病院にて、楓が亡くなってしまった原因というのが、検査結果からするに染色体異常でもなければ子宮の異常でもなく、はたまた免疫系の異常でもないのではないか、という話だった。だけど、私は納得できず、その(二回も死産してるしこんな偶然って滅多にない、稀な確率なんじゃないの?という)不快なモヤモヤを解消すべく、昨日は不育症に特化した病院「S・W」へ。

診察時、エコー写真だの、血液の検査結果だののかき集めた資料を見せると、先生は終始難しい表情で。操のむくんでしまった写真を見た際には「これはすごいね。辛かったね。」とぽつり。それを聞いた途端、私は涙目になり、そこからはもう「はい」とだけしか答えられなくなってしまった。何だか哀れまれると、とてつもない悲しみに襲わるのだ。私は不幸なんかじゃない、という思い込みが崩されるから。
その後も続く問診に涙を堪えながら必死で答えた。あの子達の死を頭じゅうに駆け巡らせながら。時折笑顔なんか見せちゃって、悲しんでいないふりをして。それに対し、愚かだな、と冷静に見つめる自分もいる。

「じゃあひとまず、血液とって検査をしましょう。(検査項目を見せて)こんなに検査するんだから、何かわかるはずだよ。」
私は素直に頷いた。ふと先生を見ると、背後に後光が差している。涙で滲んでいたせいかもしれないが。

しかし、その神に提示されたお会計額。なんと

128,280円−也 。。。。

まじかよ。

最初に12、3万かかりますよ、と言われてはいたけれど、やっぱり高過ぎて会計カウンターで目玉ひん剥きそうになる。

だが、もはや神に追従する私は従順だ。
「はい、(ひーふーみーよー数えて)13万です。。」

けれど人間はどこまでも欲深いもので。

13万円。。13万円もあったなら、一体何が買えた・・・?ハイブランドのバッグ?ティファニーのネックレス?リング?。。

少しだけ、帰りの電車内で後悔の念が押し寄せてくる。だから、否、これで次への対策案が望めるのならば安いものだ。・・・と何度も自分に言い聞かた。私の肩に寄りかかってくるOLを尻目に。そう、次にちゃんと産めるのであれば安いもの。

(次は必ず産んであげるからな。
だから安心して転生してこい、操、楓。)

ひたすらそう念じていると、意識が帰ったOLがすみません、とばかりに、私にお辞儀した。

その後家に着くなり、夫に一連の話をすると「そこまでしてその医者を信じ込むなんてまるで宗教みたいだ」と野次られた。
確かにそうだな、と思う。
でも人はあまりの不運に見舞われると、何かに寄り掛かりたくなるものだ。もう溺れそうで、苦しみ抜いたら、たとえ腐った藁だとしても掴まずにいられないのだ。これはもう人間の原理なのだから仕方がない。故に、たとえ紛い物だろうが何だろうが、私は信じるぞ。

月末頃、再び検査結果を聞きに行くの予定なのだが、どうなることやら。
何でもなくて、心に余裕ができたなら、帰りにバンクシー展でも見に行こうかななぁ。