zabeblogのブログ

4度の流・死産の末、離婚したバツ2女の日常

初めての内視鏡検査 〜検査〜 Part.2

 

 そうは言っても、ちょっと痛い、程度でしょ。へーきへーき。
 と、思った刹那、猛烈な痛みが腹を突き刺す。
 「ヒィッ!」
 私は思わず声をあげ、体を少しのけ反らせた。どうやら腸のカーブで、綺麗に曲がりきれなかった内視鏡カメラが腸壁を擦ったようだった。しかし、別に腸に突き刺さった訳でもないのに、それがまさかそんなに痛いだなんて、知らなんだ。

 「いいいいい、痛いです。いたっ!いいいいいだいい。。」
 その時の感覚を例えるとするなら、皮膚と肉の狭間に一匹の蠢く甲虫がいて、そいつが心臓めがけ、一心不乱に猛進してくる、といった感じだったのだけれど、この虫が人の腸壁にまあぶつかることぶつかること。そのたんびに、上記の通りに阿鼻叫喚。けれど、先生は慣れていらっしゃるから「ガス出すと楽になるから大丈夫だよ。」の一点張りで、更には「ガスを出さないから痛いんだよ。」と私が屁をこかないせいにしてくる有様。
 いや、まあ、そりゃそうなんだけれども。でも出ないんですよ。屁が。私だって出したいんですよ。でもどんどん下からカメラが突進してくるので、出そうにも出ないんですよねぇ。ほおら。私はそう思いつつ、いきんでみるもやっぱり出ない。ちなみに、心の声を余裕ぶった口ぶりで書いているけれど、実際はこの時マックスで腸が痛く、いきみながら涙を堪えてもいたのだ。そしてー。

 「まままだ・・まだ、で、ですか?ももういいいいです。」
 おそらくカメラが腸の半分まで来たであろうところで、私は痛みのあまり、もうリタイヤしてしまおう、と思って先生にそう言った。でも先生はモニターに映った私の内部を見ながら、
 「大丈夫!ちゃんとシーツも引いてあるから!全部出しても大丈夫だよ!」と言った。全く言葉が通じていない。
 仕方がないので、私は痛みから気を逸らすべく、BGMの朋ちゃんに集中した。ラ〜ブブレ〜スと歌っている。おそらくジャケ写に写っているカルティエのラブブレスについて歌っているのだろう。だが、サビのcarry on love breceって一体どういう意味?ラブブレスを運ぶ?意味がわからない。まったく、to shay shay boyといい、小室の英語はあれだな、土産物屋で売られている意味の通らない英語が書かれたTシャツみたいだな。雰囲気重視で軽率、だけど、、「ピギャーーー。」
 結局、不規則に加えられる痛みの中で別のものに集中することなど不可能であった。

続く

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