初めての内視鏡検査 〜検査〜 Part.3
行きに反し、帰り道は楽だった。
ほとんど痛みを感じることなく、カメラはスルスルと肛門から滑り出た。
そして、そのカメラと共に、私の力も一気に抜け落ちた。
ゆえに、先生から「起き上がってください」と言われても、うまく動くことができなくて、まるで今わの際の御老体みたいにひどくゆっくりと起き上がった。足が震える。
「さっきも見た通り、腸が少し炎症を起こしている程度で、問題はありませんから。」
先生の言う、さっきも見た通り、とは、私は凄まじい痛みで余裕がなかったため見ていなかったのだが、終始私の腸内の映像がモニターに映し出されていたのだ。
どうやら先生曰く、炎症している部分以外は綺麗な腸だったらしい。
しかし、そんなことより何よりも、がんでないことに心底ほっとした。
(グロ注意↓)
「とりあえずガンじゃなくて良かったです。ありがとうございました。」
先生に礼を述べると、先生は「しかし痛みの原因はわからないね。」と言う。確かに。
「とりあえず、痛み止め、多めに出しておくから。それでも、すごく痛くなったりしたら、また来てね。」
そんなわけで、腹痛の謎を解明できぬまま、依然として朋ちゃんのバラードがしっぽりと流れ続ける検査室を後にしたーーーー。
続き↓