zabeblogのブログ

4度の流・死産の末、離婚したバツ2女の日常

胎児水腫となって死産した話⑰

前回のお話

9/3(火)

前回の診察から一週間が過ぎ、再び操の状態を診てもらう日がやってきた。
予約を朝イチでとっていたので、起きるやいなや、すぐに出掛ける準備に取り掛かり、お腹なんてさほど出てもいないのに、以前買っておいた妊婦服を着て祈るような気持ちで病院へ向かう。

診察

エコーをしてもらうと、再び操に会えた。
だが、やはり浮腫は相変わらずそのままだったし、加えてどことなく様子がおかしかった。
操は羊水の中を浮遊するかのように、ゆらゆらと揺れている。

その瞬間、私は悟った。

先生が確認の為、心臓部分にズームをかける。
以前まではモゾモゾと脈打っていた心臓は、この日はひたすら息を潜め、恐ろしいほど静かだった。

「残念ですが。」

先生はポツリと言った。
私は覚悟していた部分があったので、割と冷静に、そして何処か他人事の様に受け止めた。故に涙なんて出なかった。

それから先生は私の様子を伺いながら「母体の為にもすぐにでも胎児を出したほうが良いので、今日、できれば入院して欲しい。」と言うので、私は二つ返事返事で了承した。

すると先生は神妙な顔つきをほどき、普段の医者の顔に戻って
「では、今日の午後からの入院の手続きを取るので、13時までに入院の準備をして再度来てください。一応流れとしては、入院したらすぐに子宮口を広げる処置をし、明日胎児を出産という形で出します。」と慣れた口調で説明したが、私はなんだかまだ頭が追いつかず、はい、と返事をするのが精一杯だった。

診察室を出ると、真先に夫に電話で報告する。
「やっぱりね、ダメだった。これから入院するんだ。」
自分で操の死を口にすると、一気に現実味が増し、堰を切ったように涙が溢れ出した。
先ほど診察室で全く泣けなくて、心が壊れてしまったのかと思ったが、違った。現実を認められなかっただけだったのだ。

「これからそっちに向かうよ。」
「ありがとう。」

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