胎児水腫となって死産した話⑪
希代
「全身が浮腫んでいます。」
そう言うと先生は慌てて私の共通診療ノートを見てこう続けた。
「妊婦検診が今から11日前。その時は異常はなかったんだよね。うーん。おかしいな。」
突然のことに私はまだ状況が飲み込めず、深刻な状態にあることを理解できずにいた。
「え?・・・あの・・大丈夫なんですよね?」木訥な私の質問に先生はため息で返す。
「こんな短期間で全身が浮腫むというのは、異常がある証拠です。」
(・・・え?・・・・い・・異常・・・・!?)
先生は再び沈黙し、険しい顔で診察を続ける。そして何度もため息をついた後、
「浮腫が、、、9、4ミリ・・・。」と、ぼそりと言った。
(え?それってNTのこと?・・え?・・き・9、4ミリ・・・?!)
(前に見た誰かのブログでは確か、浮腫みの厚みが増えるほど染色体異常の可能性が高く、3ミリ以上でヤバい、6ミリで絶望、って書いてあったけど・・・私・・・9、・・・4・・・。)
その数字によって、私はようやくことの重大さに気がついた。
と、同時に目にはじわじわと涙が染み出してきた。
(どうしよう・・・・嘘でしょ・・・・なんで・・・・・。)
続く