zabeblogのブログ

4度の流・死産の末、離婚したバツ2女の日常

胎児水腫となって死産した話⑨

前回のお話

13W 悪夢の入り口

何度も何度も繰り返し嘔吐する。
私は最初から吐き悪阻だったが、この頃には食べられるものは殆どなくなり、唯一食べられた餅すらも一口食べては嘔吐するようになっていた。
毎日が気持ち悪さの連続で、苦しさのあまり、せめて夢の中だけでも悪阻から逃れようとしたのだろうか、幾度も悪阻が終焉を迎える、という仕合わせな夢を見た。
けれども、現実はきまって残酷で、私の胃はどういうわけか日を追うごとに我がままになり、食物が入ってくるのを嫌がるのは勿論のこと、やがては水をも拒むようになっていった。

こうしてもはや拒食症同然の食生活となった私の身体はどんどん肉が削げ落ちていき、短期間ですっかりしぼんでしまった。
そんな、まるでいまわの際に瀕しているような私を見るなり、周囲の人間達は皆、口を揃えてこう言った。

「普通はもう悪阻がおさまる時期だよ。そんなに酷くなるのはおかしいよ。」

通常ならば、12週目頃から胎盤もできてくるので悪阻は徐々に治まってくるらしい。
しかし、私の場合は12週の終わり頃から悪阻の酷さが加速した。

確かにおかしいのかもしれない。

そう思って、ネットで調べてみると、1日に3度以上の嘔吐や、体重の減少がみられる場合、妊娠悪阻の可能性がある、とのことだった。見事に当てはまる。
そうとなれば、病院へ行かなければ。と思うも、具合が悪すぎて病院の待ち時間など耐えられるはずがない。だから結局病院には行かなかった。ただただ、一刻も早くおうちに帰って横になりたかったのだ。

そこうしていたある日、仕事中に倒れた。
当然だった。栄養なんて、ここ何日もまるで摂れていないのだから。
幸いすぐに意識が戻り、少し休んだら動けるようになったが、皆から病院へ行くよう強く勧められ、遂に重い腰をあげ、病院へ行く決意を固めた。

続く

続き